図書館のBLOG
📚黒い雨
更新日:2020年08月22日
「黒い雨」
井伏鱒二 著
「黒い雨訴訟」がクローズアップされています。現在戦争を体験した教師はいません。みんな「戦争を知らない世代」です。「戦争を知らない子供たち」という歌を聴いて育ってきたのです。でも、消してはいけない伝えていかなければならない歴史があります。
一寸さきは地獄だぞ。焼け死ぬぞ。
一瞬の閃光に街は焼けくずれ、放射能の雨のなかを人々はさまよい歩く。原爆の広島――罪なき市民が負わねばならなかった未曾有の惨事を直視し、“黒い雨“にうたれただけで原爆病に蝕まれてゆく姪との忍苦と不安の日常を、無言のいたわりで包みながら、悲劇の実相を人間性の問題として鮮やかに描く。被爆という世紀の体験を、日常の暮らしの中に文学として定着させた記念碑的名作。